倫理規定
令和3年3月16日制定
日本コーチング学会はスポーツ指導に関する科学的研究を推進し、この活動を通してコーチング学の発展ならびにスポーツ指導実践の発展に寄与することを会の目的とする。日本コーチング学会会員は、本会の目的を達成するために、それぞれが本会を構成する一員であることを自覚して研究ならびに実践に邁進することが期待される。その際に遵守すべき倫理的事項を以下に定める。本会会員はこの倫理規定を熟読し、それを自己の活動の中で活かすよう努めなければならない。
1. 会員の責任
会員は、自らの研究・支援活動によって生み出された成果の正当性を科学的に示すための最善の努力により、その知的財産の質を担保するとともに、それらを活かしてコーチング学の発展に寄与するという責任を有する。
2. 会員の行動
会員は、自らの行動が日本コーチング学会の研究や活動への評価はもとより、スポーツ科学研究の評価をも左右しうるという想像力を持って、常に正直、誠実に判断し、行動することが求められる。また指導者・研究者としての品位、信頼および尊敬を維持向上させることに努める。
3. 公正な活動
会員は、学術的調査研究などの過程において、真実に基づき、公正であることを重視し、誠実に行動する。研究・調査データは厳正な取扱いをし、ねつ造、改ざん、剽窃・盗用・二重投稿などの不正行為をしない。
4. 法令の遵守
会員は、学術的調査研究の遂行において、社会規範、法令および関係規則を遵守するとともに、自らの行動に対して倫理的責任を持つ。
5. 情報の公開
会員は、自らが携わる研究・支援の学術的・社会的意義について説明する義務を負うとともに、その成果(データ)を記録・保存し、求めに応じて積極的に公開する。また、それらの成果が、体育・スポーツの関係者に及ぼし得る影響や起こし得る変化について厳しく評価しつつ、建設的な対話関係を築くよう努力する。
6. 利益相反の回避
会員は、自らの研究・支援およびその評価・判断などにおいて、個人と組織、あるいは異なる組織間の利益の衝突に十分に注意を払い、公共性に配慮しつつ適切に対応する。
7. 公平性の確保
会員は、国際社会における多様性に配慮し、人種、性、年齢、地位、所属、思想・宗教などによって個人を差別せず、個人の人権と人格を尊重する。また、個人の自由を尊重し、公平に対応する。
8. 研究対象、研究協力者などの保護
会員は、研究対象を含む研究協力者の人権、人格を尊重し、安全、個人情報の保護などに配慮する。
9. 教育と啓発
会員は、自己の専門知識と経験を生かして、次世代を担う研究者・指導者の指導・育成に努める。また得られた知的成果を、講演、論文などを通じて公開に努め、人々の啓発活動に貢献する。
付則 日本コーチング学会倫理規定は令和3年3月16日より施行する。